2006年02月02日

六月の雨

またひとしきり 午前の雨が
菖蒲の色の みどりいろ
眼うるめる 面長き女
たちあらわれて 消えてゆく

たちあらわれて 消えゆけば
うれひに沈み しとしとと
畠の上に 落ちてゐぬ
はてもしれず 落ちてゐぬ

お太鼓叩いて 笛吹いて
あどけない子が 日曜日
畳の上で 遊びます

お太鼓叩いて 笛吹いて
遊んでゐれば 雨が降る
櫺子の外に雨が降る

中原中也ー盲目の秋

汚れっちまった悲しみに


中原中也である。確か、高校生だったか、中学生だったか、
ハッキリした時期は忘れてしまったが、
教科書に載っていた詩がずっと印象に残っていた。
詩よりもむしろ、中也の写真と言った方がいいかもしれない。

帽子をかぶった、憂いのある大きな瞳をもった美少年。
三十歳の若さで結核性脳膜炎のため死去。
こんな美しい詩を書き、若死にしてしまった中也。
なんて、ドラマティックなんだろう。
10代の少女が、中也に心惹かれてしまったのも
無理のないことであったと思う。



Posted by サリー at 15:49│Comments(0)
 
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